クイズ問題ができるまで
abc/EQIDENでは、みなさまからご提出いただいた4000問ほどのクイズ問題を元に、当日出題する約1300問を準備しています。この活動をしばしば「選定」と呼びます。
選定のプロセスや、クイズ問題に対する二次使用ポリシーについてご紹介します。
なお、このページでいう「出題」とは「当該大会の公式問題集に記載されるクイズ問題」すべてを指すものとし、大会当日に読み上げられなかったものも含むものとします。
どのように問題が用意されるの?
abc/EQIDENではクイズ問題が完成するまでのプロセスを、以下のように細かく分けて管理しています。
問題班の結成
出題コンセプトの策定
問題募集
選定作業
問題リハーサル
最終化
問題班の結成から大会本番までにかかる時間は約1年。
毎年、1年がかりのプロジェクトが繰り返されている とイメージしてください。
それでは、それぞれのプロセスの詳細を紹介していきます。
1.問題班の結成
abc/EQIDEN実行委員会のスタッフから選出された「問題チーフ」のもと、クイズ問題の準備を専門的に担当するチーム、通称「問題班」を編成します。
問題チーフ・問題班は年度ごとに新しく任命されていて、前年度のアンケートを参考に新社会人の方に声掛けするなど顔ぶれも年々変化することが特徴です。
昨今はオンラインでの活動を増やすことで、それまで参加が難しかった地方在住のスタッフにも参画いただける体制づくりが実現しました。
より良質な問題作りのため、時勢も活かしながら、多様な強みやバックグラウンドを持つメンバーを集められるよう取り組みを重ねています。
2.出題コンセプトの策定
問題チーフを中心に、次の大会におけるクイズ問題の出題方針を共有します。
問題班のメンバーが毎年変わるのと同じように、abc/EQIDENの出題コンセプトも「基本問題」の枠組みを前提としつつも毎年変化しています。
3.問題募集
毎年夏ごろに、公式サイトにて大会参加権のない方々からの問題提出を募集します。
※クイズ問題を提出いただいた皆様には、ささやかながら御礼をご用意しています。詳しくは本ページ下部をご覧ください。
4.選定作業
いただいたクイズ問題を元に、問題班が選定作業を行います。
問題選定においては、大きく以下の3つの観点から問題を精査していきます。
①問題文のブラッシュアップ
本番の舞台でクイズをする参加者を第一に考えながら、全てのクイズ問題を統一感のある問題文に揃えていきます。
この時「より伝わりやすい表現ができないか」「どういった情報を盛り込むことが適切か」など、問題班メンバーそれぞれが配慮・推敲を重ねてよりよい問題文を目指します。
②バランスのよい問題の選択
出題コンセプトをベースに、ジャンルやジャンルごとの出題傾向などのバランスを意識しながら、当日出題するためのクイズ問題を厳選していきます。この際、特定ジャンルのクイズ問題に不足があると判断した場合は、スタッフ内で追加のクイズ問題を作成します。
③問題文の事実関係の精査(通称「裏取り」)
問題班メンバーが、自身が詳しいジャンルのクイズ問題を中心に、
「問題に誤った情報が含まれていないか」
「問題文から正しく一つの答えが導き出せるか。」
「想定した解答以外に別の答え方がないか。」など、さまざまな観点から1問1問をチェックします。
問題班メンバーは必ずしも各ジャンルの専門家と言うわけではありませんが、誤りを生まないよう各種文献などを参考にしながら注意深く審査を重ねます。
これら3つの観点を問題班内で共有しながら、クイズ問題に対し複数人のチェックを経て出題できるよう、いくつかの段階に分けて選定作業を進めていきます。
5.問題リハーサル
問題を提出いただいた皆さまを招いて、問題リハーサル(通称「裏abc」)を開催します。
リハーサルでは4.の選定作業を経たクイズ問題を用いて本番同様のルールでクイズをしてもらい、感想や指摘をいただきます。
実際に早押しクイズをすることで初めて見えてくる課題も多く、楽しくありつつも非常に重要なプロセスの一つとなっています。
6.最終化作業
問題リハーサルで得られたフィードバックを参考にクイズ問題の修正・差し替えを行ったのち、当日の出題に向けた最終化作業を行います。
最終化作業は主に以下の3プロセスからなります。
a.並び替え
近しいジャンル・内容の問題が連続して出題されていないかチェックを行います。
b.校閲
問題集としての出版に備え、誤字・脱字などのチェックを行います。
c.事実関係・別解最終調査
リハーサルなどによって問題の修正や差し替えが発生したことを考慮して、問題の裏取り作業をあらためて行います。
以上が、abc/EQIDENで出題されるクイズ問題の準備過程です。
abc/EQIDENで出題されるクイズ問題は全て上記の選定過程を通して作られるため、元々のクイズ問題に対して必ず何らかの形でブラッシュアップが施されることとなります。
ご自身が提出した問題が当日どのような形で出題され、誰がどのように解答するか。そういった目線から大会を見ることもこの大会の魅力・楽しみ方の一つです。
大会を観戦するときや問題集を読むときなどに、ぜひ一度思いを馳せてみてください。
abc/EQIDEN出題問題の二次利用ポリシー
abc/EQIDENにて出題された問題の著作権はabc/EQIDEN実行委員会に属します。
これらは大会終了後に販売される大会公式問題集に掲載され、販売によって得られた収益は大会運営費に充てられます。
また、問題集の販売とは別に、以下の用途で二次利用する可能性がございます。
公式サイト/YouTubeチャンネルなど、実行委員会が持つコンテンツでの紹介
自然言語処理を中心とした研究用途への問題提供
教育、クイズ業界の貢献等に繋がる企業・サービス等への問題提供
なお、外部提供を行うクイズ問題は、abc/EQIDEN本大会での出題に向けて選定プロセスを経た問題のみとなります。
皆様から提供いただいたクイズ問題の原本については、許可を得ることなくそのまま利用することはございません。
クイズ問題提出者への特典
abc/EQIDENに問題を提出いただいた皆様には、御礼として以下の特典をご用意しております。
10問以上の提出:大会スタッフの一員として、大会公式問題集に氏名を掲載いたします。
※氏名不掲載を希望される場合は、問題提供時にご連絡ください。
20問以上の提出:大会開催前に実施される問題リハーサルへの参加権
40問以上の提出:大会終了後の問題集データの贈呈