abc/EQIDENではどのような問題が出題されるのか?
ここでは本大会の出題傾向と、本大会が設立当時から掲げてきた「基本問題No.1決定戦」というコンセプトの内容をご紹介します。
クイズという競技・遊びの内容は非常に多種多様です。abc/EQIDENが掲げている「基本問題」は、多様なクイズ全てにとっての基本という意味ではなく、「これからクイズを始めてみたい」「早押しクイズで勝負してみたい」という方々が取り組みやすく、最初に触れるうえで薦めやすいものとして作成しています。
「abc」のページでは、「基本問題」を「日常生活に根差した知識や、学校・職場で学べることをもとに正解できるような」問題と説明しています。
より具体的には、難易度に一定の上限を設けた上で、様々な物事を題材に問題を出題します。たとえば、次のようなタイプの問題が挙げられるでしょう。
日々見かけるもの = 生活系問題
今流行のもの・人、政治や経済の知識 = 時事問題
小・中学校や高校の授業で習ったこと、教科書に載っている情報 = 学問系問題
スポーツ、芸能、各種アクティビティ = 趣味系問題
このように、いわゆる「常識」と呼ばれるような事柄や、詳しい人ならすぐわかるような問題も出題されます。クイズというと「難問」をイメージする方もいるかもしれませんが、abc/EQIDENで出題されるのは決してそのような問題ばかりではありません。「実際に早押しクイズをしたことはない」方や「クイズ大会を観戦するのは初めて」という方でも、これまでの経験をもとに答えられる問題がいくつか、もしくはいくつもあることでしょう。
それではここで、過去のabc/EQIDENで実際に出題された問題を見てみましょう。例題として、abc the23rdの早押しラウンドで使用した第1〜10問と、その答えを掲載します。
<問題>
本場スペインでは朝食の定番となっており、よくホットチョコレートに浸して食べられる、星形の断面をした細長い揚げ菓子は何でしょう?
預言者ムハンマドの娘が名前の由来となった、首都のカイロを建設し、10世紀以降に北アフリカを支配したイスラーム王朝は何でしょう?
空中ブランコの揺れる様子を「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という擬態語で繰り返し表現している、中原中也の詩は何でしょう?
元々はろうそく1本分の明るさを基準に定められた、光源からある方向へ出る光の強さを表すSI基本単位は何でしょう?
演劇の世界では「即興劇」のことを、音楽の世界では「練習曲」のことを指すフランス語は何でしょう?
アーティスティックスイミングのチーム種目で、各チームは最大何人で演技を行うでしょう?
地球の自転とは独立に回転している、主に鉄とニッケルでできた、地球の中心部にある固体の層を何というでしょう?
斉藤由貴によるカバー版もヒットした、「探しものは何ですか?」という歌詞で始まる井上陽水の曲は何でしょう?
ある企業が開発した製品と互換性をもつ他の企業の製品のことを、「第三者」を意味する英語を用いて「何製品」というでしょう?
ピンク色のドクロマークが描かれた黒いずきんをかぶっている、マイメロディのライバルを自称するサンリオのキャラクターは何でしょう?
<答え>
チュロス
ファーティマ朝
『サーカス』
カンデラ
エチュード
8人
内核(ないかく)
『夢の中へ』
サードパーティー製品
クロミ
いかがでしょうか? 「何もわからない難問」ばかりではなく、聞いたことがある物事・身近な題材に関する問題もあることを実感していただけたと思います。最後まで読んで落ち着いて答えれば、半分以上正解できたという方もいるのではないでしょうか。
しかしながら、abc/EQIDENは「早押しクイズ」の大会であるということを忘れてはいけません。問題文を途中までしか聞けないとなると、正解するのは途端に難しくなります。最後までじっくり聞けば正解できる人でも、前半の情報だけでボタンを押すのはなかなか大変です。
abc/EQIDENの早押しクイズでは、限られた問題文の中で「どれだけその物事のことを広く/深く知っているか」によって差がつきます。あなたがよく知っていることであれば、ステージ上の選手たちにだって競り勝てるのが早押しクイズです。これこそ、この形式の大きな魅力の一つと言えるでしょう。観戦の際は、是非自分も参加者となっている気持ちで問題を聞いてみてください。
※ここで挙げた例題の10問はあくまで一部の抜き出しであり、他の箇所を読んでみると印象が変わってくるかもしれません。abc/EQIDENが他にどのような問題を出しているか読んでみたいという方は、是非こちらもご覧ください。
abc/EQIDENでは幅広い出題を担保するために、使用問題を大会参加権のない方から提供していただくという準備方式をとっています。そして、いただいた5000問もの提出問題をもとに、選定を行う問題班の手によって問題の追加・ブラッシュアップが繰り返され、最終的に出題する問題群を作成しています。
問題提出者も問題班も毎年少しずつ顔ぶれは変わっていますが、「広く/深く知っているか」を早押しクイズとして問うことができる問題の作成を続けています。
abc/EQIDENの当日は、クイズに取り組んできた学生たちがこの「基本問題」へ挑みます。頂点を決める戦いは非常にハイレベル。問題が読まれれば何人もの指先が一斉に動き、時には0.01秒が分かれ目となる解答権争いが続きます。1問1問の攻防には対戦相手との駆け引きも要求されるため、選手たちは状況に応じた一手を打ち続けなければなりません。こうして、非常に見応えのある激戦が繰り広げられます。
しかし、そんなレベルの高い勝負も、「基本問題」という出題方式を通じて一人ひとりの生活と地続きになっています。観戦しながら時に正解が早くわかったり、わかるからこそ選手の凄さがより実感できたりと、テレビ番組などとはまた違った形でクイズの勝負にのめり込めるのも、abc/EQIDENならではの良さと言えるかもしれません。
勝負に必要なのは、知識、推理力、判断力、反応速度、……そして、誤答の恐怖に打ち勝つ勇気。abc/EQIDENの問題が、大舞台での勝負を通じて早押しクイズとして真に完成する瞬間を、是非見届けてください。